生物にやさしい護岸をめざして

 現在の東京港は、高潮や津波から背後地を守るために海岸保全を第一として大部分を鋼矢板の直立護岸で整備され、水生生物の生息環境への配慮は十分とはいえません。また、東京港の水質についても、流域の下水道施設の整備普及等に伴い、一時期よりは格段に良くなっていますが十分とはいえない状況にあります。こうした中で護岸整備に当たっては、自然環境の回復を目指して人と自然の共生の視点が重要となっています。

                <直立護岸の写真>

直立護岸

 東京港に生息する水生生物は、いずれも富栄養の海域にみられるもので、種類が限られています。このため、多様な生き物が共存して補食し合う食物連鎖がうまく機能しなくなっています。
 カニ等の甲殻類は海底の有機物質を取り組んで水質を浄化します。卵や幼生はハゼ等の小型魚類の餌となり、こうした小型魚類を狙って大型魚類や鳥類も集まります。
 カニ等の甲殻類を増やすことは、こうした食物連鎖を復元再生し、東京港を多様な生き物が住める環境へと変えていくのに役立ちます。

 東京都では、こうした自然環境の回復を目指して、カニ等の水生生物にやさしい、近自然型護岸の設置を進めております。

  
◇有明北地区埋立事業における近自然型護岸の整備


有明北地区埋立事業クリックすると大きな画像で表示されます
有明北地区埋立事業

1.汐入を設け生物にふれあえ、いこえる水辺環境を整備しています。

 □ 緩傾斜型護岸

    <イメージ図>               <写真>

傾斜型護岸イメージ傾斜型護岸


2.海の生物にやさしい護岸をつくるため近自然型ブロックを用いた護岸(通称「カニ護岸」)を整備しています。

 □ カニ護岸

      <イメージ図>           <カニ生息状況写真>
カニ護岸イメージカニ生息状況

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東京港建設事務所庶務課庶務係

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