高潮・津波から都民を守る

1 広範囲に及ぶ低地帯
 東京港の背後には、首都機能をはじめ、業務・商業などの都市機能が高度に集積している。一方で、区部東部には満潮面以下のゼロメートル地帯が広がっている。
 昭和34年の伊勢湾台風の際には、伊勢湾に干潮面上約5メートルの高潮が来襲したと言われている。
 東京港において、干潮面上約5メートルの地域(右図青色部分)は、23区の面積の約4割に及び、約300万人が生活している。
 このうち、満潮面以下(ピンク色部分)のいわゆるゼロメートル地帯が23区面積の約2割あり、約150万人が生活している。



        図1 東京港における満潮面・干潮面以下の区域地図




2 高潮と防潮堤の高さ
 台風や低気圧の接近により平常時よりも潮位が高くなる現象を高潮という。潮位上昇の主な原因は、低気圧による海面上昇や、風による吹き寄せなどである。
 防潮堤の高さは、満潮面の高さ(朔防平均満潮位)に、高潮による海面の上昇分(高潮偏差)と波浪の要素を加えたもので計画されている。
 東京港においては、伊勢湾台風級の台風による高潮に対応できるよう対策を進めており、想定される津波の高さは高潮の高さより低いことから、防潮堤は津波にも対応している。



        図2 津波及び高潮に対する防潮堤の高さの考え方


3 海岸保全施設の役割と種類
 海岸保全施設とは、防潮堤、水門、内部護岸など防災機能をもつ施設のこと。
 ゼロメートル地帯などの低地帯においては、仮に海岸保全施設がなければ、日常的に浸水被害が発生するとともに、高潮時には広域的に浸水する危険性がある。



          図3 海岸保全施設のしくみ

4 防潮堤をつくる
 津波や高潮等から市街地を防護するための施設。
 自然環境や利用面を可能な限り配慮し整備を行っている。

           図4 防潮堤の整備事例


          写真1 辰巳運河防潮堤(江東区)

5 水門をつくる
 防潮堤が運河を横断するなど、防潮堤を設置できないところに設けるゲート。
 大規模地震発生時にも稼動するように、耐震・耐水対策を行う。
            写真2 辰巳水門(江東区)

6 内部護岸をつくる
 防潮堤や水門の内側にある埋立地を浸水等から防護するための護岸。
 水辺への親しみやすさ等にも考慮し、護岸上部の遊歩道化を行う箇所もある。
               図6 内部護岸の整備事例


             写真3 芝浦運河内部護岸(港区)


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