東京港におけるオフピーク搬出入の推進

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 物流の2024年問題に対応し、東京港のゲート前混雑解消を加速するため、東京港と荷主・物流事業者の双方の課題解決に資する取組として、午前中などコンテナターミナルが比較的空いている時間帯の搬出入を推進しています。

取組の背景

 背後に大消費地を抱える東京港は、首都圏の生活と産業を支える大きな役割を担っています。東京港と日本全国の間のコンテナ貨物輸送の多くはトラックによってなされているため、物流の2024 年問題を背景としたトラックの輸送力不足は東京港及び利用者にとって喫緊の課題です。
 東京港のコンテナターミナルへのトラックの来場は、慣習化された配送サイクル等により午後や夕方に集中する傾向にあります。トラックの来場時間を分散化させ、コンテナターミナルにおけるゲート前混雑解消を加速するためには、これまでの取組に加え、午前中などコンテナターミナルが比較的空いている時間帯に搬出入を行う「オフピーク搬出入」の取組が重要であると考えています。

混雑時における1日あたりコンテナゲート前待機時間

 このため、東京都は、東京港と荷主・物流事業者の双方の課題解決に資する取組として、「東京港オフピーク搬出入モデル事業」を実施することとし、本施策の趣旨に賛同し、東京都と共に課題解決を目指していただける荷主企業の取組を募集しました。

東京港オフピーク搬出入モデル事業の概要

 下記のプロジェクトの選定について、令和6年9月11日(水)に発表しました。

■プロジェクト名
 複数企業連携による東京港オフピーク輸送プロジェクト

■提案企業
 荷主企業 株式会社クボタ(代表)、本田技研工業株式会社 
      コマツ、三桜工業株式会社、白石カルシウム株式会社     
      株式会社鶴見製作所
 物流企業 吉田運送株式会社、みなと運送株式会社
      鈴与株式会社、株式会社日新

■プロジェクト概要
・道路及び東京港の混雑を避け、オフピークを活用した輸送を実施
・各社のコンテナ発着情報の共有・マッチングにより車両効率を向上

輸送フロー

■想定されるメリット
 港湾エリアの混雑解消への貢献
 運送会社及びドライバーの負担の軽減
 車両回転率の向上による運送生産性の向上
 安定的なコンテナ輸送力の確保
 CO2排出の削減による環境への貢献 など

■スケジュール
 令和6年9月から令和7年2月まで(準備、実施、とりまとめ)

東京港オフピーク搬出入モデル事業の概要

■参加企業様のコメント
 日本一のメガ港湾である東京港は、多様な要素により港湾エリアの混雑が続いている。これに対し、一社単独ではなく、また荷主企業だけではなく物流企業も含めた連合協業により、よりよい東京港の物流環境の構築に向けてオフピークを活用した取組を進めていきたい。
 この取り組みは、東京港の混雑解消への貢献だけでなく、安定的な輸送力の確保やトラックの運送生産性の向上、安定的なコンテナ輸送力の確保、脱炭素化への貢献など、参加企業自身の物流環境の改善や価値向上にもつながるものと考えている。物流環境の改善に向けてはハードルの高いことが多いと思うが、「まずは皆でやってみる」ことを大切にして、トライアルを推進したい。

東京港オフピーク搬出入モデル事業キックオフ会にて

参考資料

「令和6年度 東京港オフピーク搬出入モデル事業」の募集開始
東京港のオフピークの利用促進に向けた荷主企業の取組を募集します(令和6年7月31日付報道発表)

「令和6年度 東京港オフピーク搬出入モデル事業」の選定結果
東京港のオフピークの利用促進に向けたプロジェクトが決定しました(令和6年9月11日付報道発表)

記事ID:019-001-20241108-009781