運河域の環境回復と保全対策
○東京港の運河域の環境 東京港の運河は、東京港発展の歴史の中で海上交通路としての役割の比重が減少し、水辺環境としての位置付けが大きくなってきています。東京の下水道の普及に伴い港湾部の水質が良化しつつありますが、運河部は水の交換が悪いこともあり汚泥の堆積が止まっていないというのが現状です。この汚泥は、時として悪臭の発生原因となったり、ガスの発生原因となったりするとともに景観の悪化の原因ともなるため、特に都市化の進んだ運河域など環境対策の要請が強まっています。 ○運河域の環境回復と保全対策 東京港内運河部の堆積汚泥対策は、昭和47年度から昭和61年度にかけて実施し、対策の必要な運河について悪臭の原因となる堆積汚泥を除去する汚泥しゅんせつをひととおり完了しました。 しかし、この時期は、東京都の下水道普及が十分でないことなどから汚泥の再堆積があり、現在は、再堆積汚泥を中心に汚泥対策を行っています。 汚泥対策の方法は、汚泥を取り除くしゅんせつ工法の他に汚泥の表面を厚さ30cm程度の砂で覆う覆砂という工法も有効であり、水生生物の棲息にも効果があることが知られています。現在、東京港建設事務所では運河水深と汚泥堆積状況からしゅんせつと覆砂の両工法のうち、適切な工法を選択して堆積汚泥対策を続けており、運河部の環境回復と保全を目指しています。 |
|
【覆砂工法】 |
記事ID:019-001-20240904-007424