耐震強化岸壁の整備

○耐震強化岸壁とは

 大規模な地震が発生した際、港湾は被災者の避難や緊急救援物資の輸送拠点として重要な役割を担うこととなります。

 東京港の係船施設(岸壁、桟橋など)は、供用期間中に1〜2度発生する可能性のある地震に対して耐震性能を有する構造となっていますが、平成23年3月の東北地方太平洋沖地震も考慮し、施設の供用期間中に発生する確率が低いが東京港で起こりうる最大級の地震に対しても利用ができる程度まで耐震性能を高めた係船施設を港内全域にバランス良く配置するよう計画しています。この耐震強度を高めた係船施設が耐震強化岸壁です。


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○耐震強化岸壁の整備

 耐震強化岸壁の整備は、岸壁の新設時ばかりでなく、既設岸壁の強化という方法でも取り組んでいます。現在は、品川ふ頭北側690m部分の増深改良、及び10号地その2南側(フェリー)を岸壁改良すると同時に耐震強化岸壁にするため、工事を施工中です。

※ 岸壁の液状化対策
 東京港の係船施設は、建設時の耐震基準は満たしていますが、古い時代に建設された係船岸では、地盤の液状化に対応していないものがあります。
 地盤が液状化すると、地盤上の構造物は抵抗力を失い、大きな変形や倒壊など壊滅的な被害を受けることになります。

 液状化の対策としては、

 (1)液状化の危険性のある地盤を十分に固める
 (2)過剰間隙水圧が発生しないよう、地下水の逃げ道をつくる

 などの方法があります。

 東京港では液状化の危険性のある係船施設について順次液状化対策を施してきており、最近では、平成17年度に品川ふ頭、平成18年度に15号地木材ふ頭の液状化対策を完了しました。

 ★地盤の液状化とは
 地盤は、簡単に言うと土の粒子と空隙により構成されており、地下水面以下では空隙が水(間隙水)によって満たされています。緩い砂地盤が地震動を受けると土の中で間隙水の水圧が上昇し(過剰間隙水圧という)、砂粒子のかみ合いが弱まっていき水の中に砂粒子が浮いた状態になってしまいます。この状態が地盤の液状化状態で、このとき地盤は抵抗力を失ってしまいます。そして、さらに過剰間隙水圧が増すと、砂を含んだ水が地表面に噴き上げてくる(噴砂という)こととなります。

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東京港建設事務所港湾整備課

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