臨海副都心における供給処理施設は、次の基本的な考え方のもとに計画的に整備する。 |
[1]安全で安定した供給処理 |
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防災対策やセキュリティー対策を十分に施し、事故や災害時にも対応できる安全で安定した供給処理 システムを確立する。 |
[2]地域内処理の原則 |
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下水処理場や清掃工場を地域内に整備し、可能な限り臨海副都心地域内でのクローズドシステムとする。 |
[3]省エネルギー・節水型の都市づくり |
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地域冷暖房への都市排熱等の活用、中水道システムの導入による下水処理水の雑用水としての活用など、省エネルギー・節水型の都市づくりを進める。 |
[4]都市環境の保全 |
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下水道における高度処理の導入や清掃工場での高度な公害防止技術の導入など、環境への影響を極力低減する。 |
[5]都市空間の有効活用 |
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上水道施設及び下水処理施設の上部利用やライフライン施設の共同溝への収容など、都市空間の有効利用を行う。 |
[6]快適な都市生活 |
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ごみの管理収集システムの採用、地域冷暖房システムの導入、下水の高度処理水の利用など、快適な都市生活に配慮したまちづくりを進める。 |
なお、有明北地区については、既成市街地も含むという地区の特性を踏まえ、関係者と協議を進める。 |
(1)共同溝 |
[1]整備方針 |
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共同溝には、上水道、下水道(汚水管・汚泥管)、中水道、電力ケーブル、ガス管、ごみ収集管、 地域冷暖房用熱供給導管及び通信・CATVケーブルを収容する。 |
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共同溝は耐震性を備えた構造とし、災害に強いライフラインの確立を図る。 |
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中央管理システムにより、安全性、信頼性の高い共同溝管理を行う。 |
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[2]整備計画 |
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青海1区域センタープロムナードなどにおいて整備(1km)を進める。 |
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国際展示場北側の共同溝については、「有明の丘防災拠点」の計画に合わせて整備を検討する。 |
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(2)上水道施設 |
[1]整備方針 |
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臨海副都心への送水系統は、木場方面及び大井方面からの2系統とする。 |
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地域内に給水所を設け、安定した給水量の確保を図る。 |
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[2]整備計画 |
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送水管については、木場ルート(整備済)に加え、大井ルートを早期に整備し、有明給水所の受水ルートを2系統化する。 |
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有明給水所(全体計画:最大配水量約7万m3/日、配水池4万m3のうち整備済が2万m3)の未整備の配水池2万m3及び付帯設備は、需要量の増加に合わせて整備する。 |
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給水所の配水池の上部を公園とするなど、施設の複合利用を図っていく。 |
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地域内の配水管については、開発の進捗に合わせ順次整備していく。 |
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(3)下水道施設 |
[1]整備方針 |
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下水道排除方式は、分流式(汚水と雨水を別の管きょで排除)する。 |
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下水(汚水)の処理は、放流水域の環境保全及び水資源の有効利用を図るため最新の 処理技術を導入した高度処理を行い、下表の水質目標を達成していく。 ●水質目標 |
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項目 |
処理水質 |
(参考)既存の区部処理場 における水質目標 |
BOD |
8mg/l |
20mg/l |
SS |
5mg/l |
20mg/l |
T-P (全リン) |
0.5mg/l |
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高度処理水は、中水道として地域内におけるトイレ、車両洗車、散水等の雑用水として利用する。 |
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下水処理場で発生する汚泥は、東部汚泥処理プラントに圧送し、処理する。 |
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雨水管きょ等は、1時間あたり75mmの降雨に対応できる施設とし、自然流下困難な地域については雨水ポンプ場を整備する。 |
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[2]整備計画 |
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有明処理場(全体計画:汚水処理量約12万m3/日、中水道最大配水約3万m3/日)の土木、建築施設については概ね整備が完了しているが、電気、機械設備については、流入下水量の増加に合わせ、段階的に残りの整備を行う。 |
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青海、有明南及び有明北の各地区に雨水ポンプ場の整備を行う。(汚水ポンプ場7箇所は整備済) |
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雨水管、汚水管、中水道管については、開発の進捗に合わせ順次整備していく。 |
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(4)ごみ処理施設 |
[1]整備方針 |
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地域内に清掃工場を設けるとともに、利便性、衛生面、道路交通への影響を考慮し、管路収集システムにより、ごみの収集を行う。 |
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粗大ごみ等の管路収集不適ごみ及び焼却残灰の輸送は、車両により行う。 また、新聞・段ボール・びん・缶類等については、再利用・資源化を図るよう利用者の協力を求める。 |
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ごみ投入口等の利用者側設備は、東京都が作成した「利用者設備設置基準」に適合したものとし、利用者が設置・管理する。 |
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[2]整備計画 |
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有明清掃工場(処理能力:400t/日)が整備されており、今後、開発の進捗に合わせ、段階的にごみ収集管を整備する。 |
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(5)地域冷暖房施設設 |
[1]整備方針 |
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・ |
快適な都市環境の創出、省エネルギー、環境保全等の観点から、原則として地域冷暖房システムにより熱供給を行う。 なお、住宅については、当面地域冷暖房システムの導入を行わないが、導入の可能性については、技術革新の動向を踏まえ検討を続ける。 |
・ |
臨海副都心の開発状況に対応するよう、熱供給区域を複数に分割し、段階的な整備を図る。また、それぞれの区域間は、熱供給導管(冷水導管、温水導管、各々往復の4管方式)を連結し、安定供給を確保する。 |
・ |
地域冷暖房に必要な熱量は、臨海副都心全体で冷房用、暖房給湯用とも 350ギガカロリー注(時間最大)を見込む。 熱源には清掃工場で発生する排熱を積極的に有効利用する。都市排熱以外の熱源については、安全性、環境保全等の観点から電力及び都市ガスを利用し、夜間電力による蓄熱システムを最大限に利用する。 |
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(注)ギガカロリー:
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1,000m3の水を温度1度上げる熱量の単位。
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[2]整備計画 |
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臨海副都心の開発の進捗に対応して熱供給導管の延伸を進めるとともに、整備済のプラントの熱源設備の増設等、能力増強を行う。 |
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今後の整備にあたっては、省エネルギーを図る観点から、コージェネレーションシステム(電熱供給システム)を導入するとともに、下水処理場の熱利用を検討する。 さらに、氷蓄熱、海水の利用等新技術の導入について検討を進める。 |
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平成20年2月、開発に対応し熱供給の能力を確保するため、青海地区北側に地域冷暖房施設(プラント)を設置することとした。 |
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(6)電気・ガス施設 |
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供給の安定性を確保するため、ルートの多重化やバックアップシステム等の構築を行う。 |
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臨海副都心の開発の進捗に合わせ、段階的な施設の整備を図る。 |
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供給処理施設の整備状況及び整備計画 |
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名 称 |
全体計画 |
進歩率 |
備 考 |
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内施行済 |
共同溝 |
17km |
16km |
94% |
有明北地区については、今関係者と協議を進めるため、全体計画数量には含んでいない。 |
共 同 溝 内 管 類 |
水道管 |
38km |
34km |
89% |
中水道管 |
32km |
27km |
84% |
汚水圧送管 |
19km |
16km |
84% |
ごみ収集管 |
18km |
14km |
78% |
地域冷暖房管 |
12km |
6km |
50% |
有明清掃工場 |
1箇所 (400t) |
1箇所 (400t) |
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有明処理場 |
1箇所 12万m3/日 |
1箇所 3万m3/日 |
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機械設備等一部残 江東区有明スポーツセンターを併設 |
有明給水所 |
1箇所 配水池4万m3 |
1箇所 配水池2万m3 |
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配水池2万m3残 東京都水の科学館を併設 |
地域冷暖房施設 |
冷熱 |
350ギカカロリー/h |
125ギカカロリー/h |
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温熱 |
350ギカカロリー/h |
109ギカカロリー/h |
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