第二部 <2>水と緑のネットワーク

第二部 快適でゆとりある都市生活のまち
<1>快適で良質な住まいの実現 <2>水と緑のネットワーク <3>魅力ある都市景観の形成 <4>自然と共生する都市づくり
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快適でゆとりある都市生活のまち
水と緑のネットワーク
基本的考え方
(1)臨海副都心における水と緑のネットワークの形成
 臨海副都心は、周辺を水域に囲まれた都民が海と親しむことのできる貴重な空間であり、計画的に自然を保全し、水と緑とまちが一体となった整備を進めることが求められている。
 ウォーターフロントの特性である豊かな眺望を十分活用して、副都心の市街地に調和した、都民が憩い、楽しめる夢のある空間を創出するとともに、住み、働き、訪れる人々にとって、都市生活に欠かせない快適な環境を生み出すことが必要である。
 このため、シンボルプロムナードを軸として公園・緑地等の整備をすすめて、臨海副都心における水と緑のネットワークを形成する。
 また、公園等のオープンスペースは災害時の避難場所とする等、広域的な防災活動の支援基地としても活用していく。
(2)臨海部全域にわたる水と緑のネットワークの形成
 臨海副都心の周辺部においては、辰巳の森海浜公園、大井ふ頭中央海浜公園、東京港野鳥公園等の大規模公園や水辺が、環境保全、スポーツ、レクリエーション、防災等の機能を相互に補間し、それぞれの特色をいかしながらネットワークとして整備されており、豊かな水と緑の中で都民が楽しみ、憩い、やすらげる空間となっている。
 一方、中央防波堤埋立地においては、新たに自然環境の回復等をめざし、大規模緑地「海の森」が展開されようとしている。
 臨海副都心では、このような臨海部の他の大規模公園やスポーツ施設との連携を図り、その特性にあった公園整備を進めることにより、臨海部全域にわたる水と緑のネットワークを形成していく。
主要施設の整備
(1)シンボルプロムナード
[1]整備方針
・臨海副都心の象徴
   臨海副都心のイメージを代表する都市空間として位置づけ、副都心全体と調和のとれた、世界と未来に開かれた都市にふさわしい空間とする。
・都市の骨格とネットワークの形成
   シンボルプロムナードは、副都心において大きな面積を占めるとともに、都市の骨格として、臨海副都心地域全体を、連続的で一体的に結び付ける役割を持つ。このため、周辺の土地利用と融合し、美しさと広がりのある都市景観を備えた魅力ある都市空間とする。
・夢のある憩いと賑わいの空間
   シンボルプロムナードは、憩いとやすらぎの空間としての樹林や散策路、賑わいと楽しみの空間としてのイベントやマーケットの広場などを組み合わせ、臨海副都心の夢のある空間の中心として整備する。
 また、都民の創意をいかした多様な利用ができる交流空間とするため、運営方法の工夫などにより、できる限り柔軟な管理を行う。
・都市施設の収容空間等
   共同溝等を地下に収容するとともに、災害時の被災者における一時集合場所、仮設住宅の建設場所等防災機能を備えた都市空間とする。
[2]整備計画
 全体延長約 4.1km(幅80m) のうち、約 2.2km は整備を完了している。
 今後、未整備箇所約 1.9km について、整備を行っていく。
 青海地区の未整備箇所について、まちづくり都民提案制度により広くアイディアを募集し、整備にあたってその趣旨を反映させる。
(2)公園・緑地等
[1]整備方針
・水の広場公園
   西側区域については、行き交う船舶や水辺の眺望を楽しみながら、緑の中で散策ができる公園として整備する。
 また、有明給水所の配水池上部を活用し、公園を整備する。
・有明ふ頭公園
   緩傾斜護岸で広い水域と繋がり、人びとが海とふれあう空間とするとともに、有明の鉄鋼ふ頭との緩衝機能も持たせた公園として整備する。
・有明親水海浜公園
   東京港の歴史的な構築物である「旧防波堤」を良好に保全するとともに、自然に親しめる磯浜や砂浜を備えた多様な水辺空間として整備する。
 なお、公園等の景観について、まちづくり都民提案制度の対象とするよう検討する。
・お台場海浜公園
   都心の近くで、人々が海とふれあうことができる大規模な水辺空間として、引き続き水質浄化などに努める。
 また、海水浴場の整備については、その可能性を検討する。
・緑道公園等
   公園や水辺空間を相互に結ぶ緑道公園や緑地を整備する。
・近隣公園・街区公園
   開発の進展に合わせて、既設大規模公園や他の水辺空間の配置と整合のとれた、近隣公園や街区公園を配置する。
[2]整備計画
(平成9年3月現在)
  名称 面積 (ha)
陸域 水域













10
お台場海浜公園
台場公園
潮風公園
東八潮緑道公園
青海北ふ頭公園
青海南ふ頭公園
レインボー公園
水の広場公園(東地区)
有明西ふ頭公園
有明テニスの森公園
その他
8.8
3.0
15.5
0.5
0.5
4.7
1.1
2.9
0.9
16.5
4.6
42.1
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2.0
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現況計 59.0 44.1






11
12
13
14
15
16
水の広場公園
有明ふ頭公園
有明親水海浜公園
有明北その1緑道公園
有明北その2緑道公園
台場緑道公園
近隣公園・街区公園等
4.8
2.1
10.9
0.8
1.8
0.2
13.0
1.0
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21.3
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計画計 33.6 22.3
合計 約 93 ha 約 66 ha
(3)道路緑化
 臨海副都心内の歩道の植樹帯などは、高木等により緑化し、のびのびと育成させる。
(4)宅地内緑地
 業務・商業系敷地内には、ガイドラインにより、他の緑地や水辺空間の配置と整合させ、宅地内緑地を設けるよう誘導する。
 建築物の屋上についても、可能な限り緑化に努める。
 公共施設の敷地については、積極的に緑化を進める。
(5)暫定緑化
 未整備のシンボルプロムナード用地等については、本格的な利用が行われるまでの間、樹木や四季の花などにより、暫定的な緑化を行う。
(6)臨海副都心周辺における新たな緑の創出
 東京の臨海部では、さまざまな港湾施設や都市施設が整備されている一方、水辺環境の再生や緑の質と量の充実が求められている。中央防波堤内側地区においては、大規模な「海の森」を整備し、生態系にも配慮して自然環境の回復を目指すとともに、憩い楽しめる夢のある空間を創出する。
記事ID:019-001-20240904-007346